2020年の東京オリンピックが決まって以来、急激にトレンドワードに躍り出た「インバウンド」
もはや企業のマーケティング・PR担当者にとっては無視できないほどの規模感になってきました。
日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、2015年1月から9月に日本に訪れた外国人数は1,448万人となっています。
訪日外客数1,448万人の国別内訳は、次の通りです。
1位:中国(383万人)
2位:韓国(285万人)
3位:台湾(277万人)
4位:香港(110万人)
5位:米国(75万人)
やはり、中国からの観光客数が一番多いですね。
「爆買」なる言葉もすっかり定着した感じがあります。
★インバウンド市場は多様化している★★
インバウンド市場というと、どうしても家電量販店や百貨店での中国人による爆買がすぐ頭に浮かんできますが実はその市場は実に多様化しているのです。
私の実家は徳島県の田舎です。特になんの産業もないこの地域では観光だけが唯一といってもいいほどの産業でした。
特筆するほどの観光資源が無い中で唯一、「渓流下り」だけがなんとか細々と運営されていたのですが、ここ数年、外国人観光客が押し寄せてくるようになり、閑散としていた街がにわかに活気づいてき
ました。
この街には買い物を楽しむようなお店もありません。
観光客の方は「渓流下り」という体験を買いに来ているのです。
全国の観光地の中には外国人観光客がいなければもはや経営がなりたたないところもあるようです。
ホテル・旅館業界にも大きな変化が起きています。
外国人観光客の増加により空き部屋が慢性的に不足する状況となっています。
それにともなって脚光を浴びているのが「民泊」。
東京都大田区では「国家戦略特区」を利用し一般住宅を宿泊施設として活用する計画を発表(2016年1月から)しました。
また、自分所有の家やマンションを貸し出す人と旅行者をマッチングさせるサービスAirbnbや宿と外国人旅行者をマッチングさせる「TOMARERU」というサービスも話題を呼んでいます。
川越に住んでいる私の友人はAirbnbを利用し毎週のように外国人旅行者を宿泊させています。
★インバウンドは大きなチャンス★★
2016年のインバウンド市場は、約4兆円と言われています。
「オリンピックが終われば外国人観光客は激減する」
という人もいますが果たしてそうでしょうか?
現在、日本に来る観光客数は世界で22位、アジアでは7位です。
日本政府は「日本の潜在的魅力と経済規模を考えれば、欧州並みの水準は可能」としています。
SNSがない時は、旅行から帰っても日本の事を話せるのは家族、友人、職場の人だけだったのですが、SNSが発達している今、日本に来た観光客はTwitter Facebook Youtube Instagramなどで日本の素晴らしさを発信できます。
それらの情報は友達から友達へと伝わり瞬く間に世界中に拡散していくわけです。
SNSの力により観光客の数は今まで以上に増えていくのではないでしょうか。
このようにインバウンド市場は将来的なビジネスとして魅力的な市場です。
新規ビジネスを模索している企業の方は、十分に検討する余地があるでしょう。
その時の注意点としては日本人スタッフだけでビジネス内容を決めないことです。
宗教、文化、所得などが違う国の人に日本人だけで考えたものを提供してもうまく行く可能性は低いでしょう。
SNSなどを使い外国人の方の意見を聞いて進めていく方法もあります。
4兆円の市場はまだまだ未開拓と言っても過言でなないと思います。
アネティにもインバウンド関連のPR案件が着実に増えています。
この市場をだまって放っておくことはできませんね?