大手企業の広告費の投下先が、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌から、インターネット上の広告へシフトしていることは皆さんご存知だと思います。
2017年6月、電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は「世界の広告費成長率予測」を発表しました。
その中で、「デジタルシフトがさらに加速し、世界の広告費に占めるデジタル広告費の構成比は、2018年に37.6%となり、テレビ(同35.9%)を抜いて最大の広告メディアへ」と発表しました。
この潮流は多くの方が実感して感じているのではないでしょうか?
インターネット広告を扱う企業の最大手は、検索エンジン最大手の「Google」です。インターネットユーザーであれば、同社が展開する「リスティング広告」を見たことがないという人はいないのではないでしょうか?
また、ここ2~3年、勢力を伸ばしているのがSNS大手のFacebookが展開する「Facebook広告」です。
特にコンシューマー向けの商品・サービスを販売している企業にとって、Facebook広告は非常に優れた広告であるといえます。
その理由は、Facebookを利用する際には、「性別」「生年月日」「出身地」「学歴」「現住所」「勤務先」等を登録するので、広告出稿時にそれらのデータを利用し、ターゲティングを非常に細かく設定することができるからです。
肌感覚ですが、一昨年の春くらいから、Facebook広告に関するセミナー等が急に増えたように感じ、広告代理店もFacebook広告の取扱を急速に増やしたように感じます。
今年も引き続きその潮流は続くと思います。しかし、もし、あなたの会社がコンシューマー向け商品を扱っているのであれば、今年はFacebook広告以上に注目すべき広告があります。
それは「Amazon広告」です。
Amzon広告ご存知でしたか?
多くの方が「え!?Amazonって広告出してましたっけ?」
という反応をされます。
現段階で、Amazon広告の認知度はそれほど高くはありません。
また、GoogleやFacebookに比較すると、その規模はまだ小さいですが、Amazonは、世界最大規模のECプラットフォームという背景から考えても、今後数年で、主要な広告媒体になるのは間違いありません。
広告運用代行会社やマーケッターの間では、今年はAmazon広告が大きく跳ねると噂されています。
Amazon広告を利用するメリットはいろいろありますが、大きくは次の2つだと感じます。
■メリット1 利用者数の多さ
一番のメリットは、なんといってもその利用者の多さでしょう。
以下に「impress BUSINESS MEDIAサイト」のネットショップ担当者フォーラムから利用者に関する記事をご紹介します。
https://netshop.impress.co.jp/node/5764
視聴行動分析サービスを提供するニールセンデジタルが2018年8月30日に公表した、国内におけるECサイトの利用実態調査によれば、2018年6月の「Amazon」と「楽天市場」の利用者数(閲覧のみのユーザーを含む)はどちらも約4000万人でした。オンラインショッピングサービスの利用者数は「アマゾン」が4079万人、「楽天市場」が4028万人、「Yahoo!ショッピング」は2645万人。日本の18~64歳の人口をもとに利用者数を算出した「リーチ」は、「アマゾン」と「楽天市場」が56%、「Yahoo!ショッピング」は37%。
こう改めて読むと、Amazonって凄いサイトですよね。
日本国民の2人に1人は利用している感じです。
■メリット2 購買意欲の高いお客を相手にできる
リスティング広告やネイティブアド広告では、購買意欲を持った客層にダイレクトにリーチすることは難しいです(リスティング広告出稿時に入札するキーワードによってはリーチすることも可能ではあります)。
しかし、Amazon広告は、Amazonサイト内に表示(サイト外に表示させることも可能)されるため、すでに購買心がある客層をターゲットにできます。
このことはとても大きな魅力です。
私自身、物を購入する際、例えば新しいフライパンが欲しい時、Googleの検索ボックスに「フライパン」とは入力しないで、Amazonか楽天のサイトを開き、そこの検索ボックスに「フライパン」と入力します。
こういった方は多いのではないでしょうか?
費用に関してはリスティング広告と同じく「クリック課金方式」となっています。また、広告出稿時には「キーワード」を指定します。これについてもリスティング広告と同じです。
数年前、Facebook広告がリリースされたばかりのころ、利用する企業が少なかったため、当初から参入した企業は大きなメリットを享受しました。
しかし「Facebook広告は非常に効果が高い」ということが広まってからは、競争が激しくなり、広告費も高騰し、成果も当初ほどは出しにくくなりました。
ビジネスはスピードが生命線。
Amazon広告の情報・ノウハウが少ない今、参入するには勇気が必要かもしれませんが、利用する企業がまだ少ない今が大きなチャンスかもしれません。
研究の余地が大いにあると思います。