ここ数年、「町中華」がホットです!
「え?町中華ってなに?」という人のためにその定義を簡単に説明しておきますね。
町中華の定義は少し難しいのですが、私は次のように理解しています。
「チェーン店ではなく、家族経営で地元に根ざした昔ながらの大衆的な中華料理店」
だいたいが夫婦二人だけ、またはパートさんが一人くらいでお店を運営している。お店の大きさはカウンターと机が3、4つ程度。店先には出前に使うホンダのスーパーカブが置いてあるというのが、私が町中華店に持つ典型的なイメージです。
なので、「餃子の王将」「大阪王将」「日高屋」「バーミヤン」なんかは該当しませんね。
最近では、テレビ番組や雑誌でも、町中華の特集がたくさん組まれています。BS-TBSでは「町中華で飲ろうぜ」という、町中華に特化したレギュラー番組もあるほどですよ。
また、大手加工食品メーカーのエスビー食品株式会社では、町中華の繁盛店の味が自宅で再現できる、中華合わせ調味料シリーズを販売しています。
このように盛り上がりを見せる町中華ですが、今から6年くらい前だと、町中華というジャンルは、テレビや雑誌があえてネタとして取り上げるような存在ではありませんでした。
その理由として、町中華は都市部、田舎に関わらず、どこの町にもあり、その多くが家族経営で地味。味に関しても「まぁ、特筆するようなものでもないし」といったところだったのでしょう。
しかし、この状況は大きく変わってきています。冒頭でも書いたとおり、毎日のようにどこかのメディアで特集が組まれているような状況へと変化しています。
なぜこのような状況になったのでしょうか?自分は次の5つの要因が複合して今の状況を生んでいると思います。
町中華は料理の種類が多い
外食にはいろいろな種類がありますね。
ラーメン、うどん、パスタ、蕎麦、カレー、イタリアン、フレンチ、スイーツ、中華等々。これらの中で食べ歩きをする食事としてはラーメンが一番メジャーだと思います。
ラーメンにはいろいろな種類があるので、食べていても飽きにくいということもあるのでしょう。また、食べたラーメンの写真をSNSにアップしても写真映えしますし、ラーメン好きの人が多いので受けも良いです。
しかし、料理の種類でいえば中華のほうが圧倒的に多いので飽きが来ませんから、食べ歩きには中華のほうが向いているのだと思います。
インターネットとグルメサイトの登場による食べ歩きの一般化
日本でインターネットが一般的になったのは、1996年4月1日、ヤフー株式会社がポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を公開してからだと考えます。その後、「ぐるなび」が登場し、飲食店を検索することができるようになりました。
その後登場した「食べログ」「Retty」では店舗の検索機能と、実際にその店で食べた人の感想を読むことができるようになり、また、ぐるなびもトリップアドバイザーに投稿された口コミをコンテンツ内に掲載するようになりました。これらのことが「食べ歩き」というものを一般的なものにしたと思います。
インターネットやグルメサイトがない時代、食べ歩きをしたくてもそのための情報を入手する方法が、テレビや雑誌、また友人・知人などからの口コミしかありませんでしたよね。しかし、今では地方の田舎町の中華料理店の情報ですら収集することが簡単にできます。
このことで「今度、出張でこの街に行ったらこの店の炒飯を食べてみよう!」となるわけです。
SNS(特にFaceBook)に投稿される食事の写真
FaceBookをしている人はよくお分かりになると思いますが、投稿される内容のかなりの部分が食事の写真です。特に男性の投稿内容はこの傾向が強いと思います。
自分がFaceBookで友達になっている人が投稿した食事の写真を見て、「その飲食店の情報を入手し、自分も近くに行ったときにはその店で食べてみる」といったことが現象として起きています。
実際、私自身もFaceBookで友達になっている人が投稿した食事の写真を見て、その店に行ったことが何回もありますし、その逆で私が投稿した食事の写真を見てその店に行った人も多くいます。
FaceBookで繋がる友達は地域・国に関係ありませんので、「こんど仕事で博多に行きます。美味しい炒飯を食べることができるお店知りませんか?」なんていう投稿をすると多くの人が教えてくれます。また、FaceBookには「町中華グループ」もあり、そこでは、町中華情報の交換が行われています。
肩肘張らず気楽に食べることができる
先程も書きましたが、食べ歩きの食材として一番メジャーなのは「ラーメン」でしょう。ラーメンに関しては専門の雑誌が何種類もあります。また全国の美味しいラーメン屋のデータをまとめたWebサイトなどもあり、それらを読んで情報を仕入れ、休日にはそれらのお店を周る人が多くいます。中には開店数時間前から並んでいるツワモノもいたりします。
しかし、こういったSPECIALなラーメンは確かに美味しいのですが、一度食べると「しばらくはいいかな」って感じになります。値段も1000円くらいと高めで、行列に並ぶのも面倒だなって感じますし。
それに比べて町中華は気軽に立ち寄ることができます。極端な話、Tシャツとジャージ、サンダル姿でふらっと立ち寄って食べることもできます。全く気を使わない気楽さがありますね。
町中華紹介系YouTuberの動画
YouTubeには飲食店を紹介する動画が凄くたくさんあります。その中でも町中華店を紹介する動画は再生回数も多く人気を博しています。
自分も飲食店紹介系動画はよく観ます。驚くのはそういった動画をアップしているチャンネルの登録者数や動画の再生回数です。チャンネル登録者数20万人、30万人超えのチャンネルは珍しくなく、再生回数も100万回を超えるものもゴロゴロあります。これって、一般の人が作成していることを考えると凄いことだと思いませんか?芸能人のチャンネルでもそうそう叩き出せる数字ではありませんよ。
個人的には「黙飯 MOKU MESHI TOKYO」というチャンネルがお気に入りで、その中でも次の動画が好きですね。
この動画の中でお店の人が次のようなことを言っています。
「お店がテレビで紹介されると、その放映日の後数日間はお客さんが増える。しかし、YouTuberの人の動画で紹介されると、長期間にわたってお客さんの数が増える。YouTubeの動画で紹介されるようになってお店が凄く忙しくなった」
まさにこれはYouTubeの特性だと思いますね。お店にしたら民放キー局の番組に取り上げられるよりもチャンネル登録者数の多いYouTuberの動画で紹介される方がメリットが多いわけです。私の家の近くにある町中華店も、以前はそれほどの繁盛店ではなかったのですが、YouTubeに載ってから行列ができるようになりました。
さて、この動画で紹介されている「酔来軒」は横浜市南区真金町にあって、私の家から行くと電車で1時間40分ほどかかるのですが、動画を観た後、どうしてもこの店の「酔来丼」が食べたくてつい先週行ってきました。
YouTubeで何回も観ていたのでお店に行ったとき、店員さんを観たときはある種、芸能人を見たときのような感覚を受けました(笑)
お味の方はバッチリ美味しかったです!
さて、いかがでしたでしょうか?
以上、自分なりに考えた町中華が盛り上がっている理由でした。
お読みいただきありがとうございました。