「ネット上のトラフィックの90%が動画になるだろう」
この言葉は、Googleの副社長兼YouTubeグローバルヘッド(2012年当時)であるロバート・キンコー(Robert Kyncl)氏が国際コンシューマーエレクトロニクスショー2012(ラスベガス)の基調講演において発言したものです。
2012年以降、ロバート・キンコー氏の予想通り、動画コンテンツがインターネット上のトラフィックに占める割合は増え続けています。
Ericsson Mobility Report November 2017によると、モバイルでの2017年の動画の通信量の割合は55%で、2023年には75%を占めるという予測レポートもあります。
レポートは下記からご覧になれます。
また、2020年には「5G」という、データ転送が今よりもかなり高速になると言われている通信規格が登場する予定です。これにより、ユーザーの動画視聴環境は更に快適になります。
このことは、動画コンテンツが更にインターネット上のトラフィックに占める割合を増やすことに大きく貢献するでしょう。
このような背景の中、企業の商品・サービスをPRするプラットフォームとしてYouTubeは欠かせない存在となりました。また、民間企業だけに限らず、行政機関も広報・PRを行う手段として積極的にYouTubeを活用しています。
7年ほど前であれば、映像で何かを伝えるということができるのは一部の大企業だけでしたから、ここ数年の進化は著しいものがあります。
YouTubeの魅力はなんと言っても自分(自社)専用のチャンネルを無料で持つことができ、そこに高品質な動画をアップすることができるということだと私は感じています。
このことは、自分(自社)専用の放送局を無料で持てると表現しても決して過言ではないと思います。
そして、企業が動画を利用して広報・PRを行うメリットはなんと言ってもその情報伝達量の豊富さにあります。動画は、テキストや写真だけで情報を伝達するのに比較すると、なんと5,000倍もの情報量があると言われていますから。
しかし、どうでしょうか。YouTubeに動画をアップしてその動画を効果的に活用できている企業はどのくらいあるのでしょうか?
このブログでも企業がYouTubeを活用した広報・PR事例をいくつか取り上げましたが、大きな成功例というのは実はそれほど多くはありません。
300万円ほどつぎ込んで動画を作成しても、思ったような効果を得ることができなかったという企業の方が圧倒的に多いのです。
なぜ、そのようなことになるのでしょうか?
その一番の理由は、動画を作成してくれる会社が動画の再生回数を増やすアドバイスまではしてくれないからです。
クオリティーの高い動画を作成するのはクリエイターとしての仕事です。
しかし、動画の再生回数を伸ばすのは、どちらかというとマーケッターの仕事です。
納品された企業側に動画の再生回数を伸ばす知識がなければ、宝の持ち腐れとなってしまうのです。
ここまでYouTubeが普及した今でも、YouTube動画の再生回数を増やす方法というのは意外と知られていないのが現状です。
そこで、今回、次回と2回に渡り動画の再生回数を伸ばす方法をご紹介します。
きっちりと対策をいけば再生回数は必ず増えていきます。是非、参考にしてください。
■ポイントその1
ニーズのある動画を作成する
これが基本中の基本です。
当たり前ですが、そもそもニーズのない動画を作成しても誰も観たいとは思いません。
「そんなの当たり前だろう」このように感じると思いますが、多額の費用をかけて独りよがりの動画を作成している企業は多いのです。
たとえば、あなたの会社が英会話スクールを運営する会社だとしたとき、スクールの紹介動画を作っても誰も観ないでしょう。有名で入学者が殺到するようなスクールであれば別ですが。
動画を作成するときには、事前に入念なニーズの調査を行っておく必要があります。
■ポイントその2
タイトルを工夫する
動画のタイトルを決めるときは、次のことに留意することが必要です。
・ターゲットとなる人が検索するキーワードを含んでいる
・クリックしたくなるような興味を引く文章になっている
それぞれについて説明します。
〇「ターゲットとなる人が検索するキーワードを含んでいる」について
タイトルは動画の再生回数を上げるうえで一番大事な要素となります。
タイトルとは次の赤線で囲んだ部分です。
あなたの会社が英会話スクールを運営する会社だとしたら、あなたの会社のターゲットユーザーは「英会話を習いたい人」「英会話能力を向上させたい人」ということになります。
では、「英会話を習いたい人」「英会話能力を向上させたい人」は、YouTubeで動画を探す時、どのようなキーワードを検索ボックスに入力するのでしょうか?
実際に調べてみましょう。「Good Keyword」というツールがあります。
このサイトは、あるキーワードを入力すると、そのキーワードを含んでいて実際にユーザーが検索しているキーワードを教えてくれます。
「英会話」と入力して検索した結果から「英会話を習いたい人」「英会話能力を向上させたい人」が入力しそうなキーワードを探してみると、「英会話 上達時間」「英会話 上達早い」などが該当するキーワードでしょうか。
作成した動画のタイトルにはこれらのキーワードを含ませます。
なぜなら、YouTubeは検索ボックスに入力したキーワード(文字)から検索者の意図を察し、検索結果に該当するであろう動画をピックアップする際に、一番重要視するのが入力されたキーワードと動画のタイトルの関連性だからです。
例えば、ユーザーが検索ボックスに「英会話 上達時間」と入力し検索した際に、「中国語の上達時間」というタイトルのついた動画をピックアップしてきたらおかしいですね。
よって、「英会話 上達時間」と入力する人をターゲットとした動画を作成しYouTubeにアップした際、動画のタイトルには必ず「英会話 上達時間」という文字を含めないといけないのです。
これは基本なのですが、できていない方が非常に多いのが実情です。十分に気を付ける必要があります。
〇「クリックしたくなるような興味を引く文章になっている」について
次の2つのタイトルの内、どちらの動画を観たいと思いますか?
1 英語を上達させる方法!An Easy Way to Improve Your English Conversation Skills
2 短期間で英語がぺらぺらになる6つの英語勉強方法!
どう考えても「2」ですよね?
この2つのタイトルは、「英会話 上達」で実際にYouTubeで検索した時に表示される動画のタイトルです。
この2つの動画のどちらが再生回数は多くなると思いますか?
答えは簡単ですよね。
「え!?」「それ知りたい」「何?」と思ってもらえるようにタイトルを作るように心がけましょう。
タイトルの差が再生回数の差に大きく影響しますから、いろいろな動画のタイトルを見て、「これは上手だな」と感じるものをストックしておくといいでしょう。
今日は、ここまでです。いかがでしたか?
次回は再生回数を増やすための8つの方法をご紹介いたしますので、楽しみにお待ちください。