現役警察官が行政機関の採用PR動画を作成して話題になっています。
このPR動画は、四国は高知県の土木部が、応募者の減少傾向が続く技術職員の人材確保のために作成依頼したもの。行政機関がPR動画を作成し、YouTubeにアップすることは、今では一般的になっていますよね。しかし、それらの動画の多くは専門の事業者が作成したものです。
現役の警察官が採用PR動画を作成するというのはかなり意外性がありますね。この動画の制作の陣頭指揮をとったのは、高知県警県民支援相談課に所属する西森達也警部補。
西森さんは警察官になる前、デザイン会社の経営をしていたそうですよ。27歳の時にデザイン会社の経営者から高知県警の警察官に転職したというわけです。
デザインの仕事から警察官へ転職というのはなかなか面白い経歴ですよね。デザインというと、ずっと机に座って仕事をしているイメージ。警察官は、体を張って働くというイメージです。相対するような職業への転職じゃないでしょうか。
都道府県が警察官に依頼して動画を作成したのは全国で初めてのケースだということです。
実は、西森警部補は、動画の制作が趣味で、過去にも高知県警の採用動画の制作で実績を上げていたそうです。この実績を見込んでの制作依頼となったようです。
動画のストーリーは、工事現場の様子を見た若い女性が、小さいころに好きだった「ものづくり」への思いを再確認するというストーリー。県土木部職員へのインタビューや、実際に現場で働いている様子も収められています。製作期間は2週間とのことです。
私もこの動画を実際に拝見しましたが、とても良くできていると感じました。特に高知県の土木部の職員の方々の仕事に対する思いがすごく伝わってきましたし、ものづくりが好きな若者が観れば、「こういった仕事をしてみたい」という気持ちを喚起させることができる魅力を持った動画だと感じました。
また、画像の綺麗さとBGM、ナレーションがよくまとまっていて、とても警察官の方が作成したとは思えないようなクオリティに仕上がっていますよ。
次に動画のリンクを貼っておきますので興味のある方はご覧ください。
吉備中央町長「逮捕」動画が話題!
最近は、地方自治体の首長の不祥事、議員・秘書官の暴言・失言などによる辞任が多く見受けられます。
こういったことに国民も慣れてきていて、このような報道があっても「またか・・・」という感じで軽く受け流してしまいがちです。
そんな中、岡山県加賀郡吉備中央町の町長が逮捕されたというニュースが入ってきました!
さすがに町長が逮捕というのは穏便ではないので、びっくりして何の容疑で逮捕されたのかを確認してみました。
そうすると、更にビックリ!
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実はこれ、町のPRだったんですね。
PRのためにわざと犯罪を犯して逮捕されたというわけではないですよ。吉備中央町が町のPRのために作った動画が話題になっているというニュースでした!
動画は、手錠をかけられた町長が庁舎の出口から出ていくところから始まります。
その町長にマスコミの記者たちが駆け寄りマイクとカメラを向けます。町長は大きな声で「私は無実です」と叫びながらパトカーに乗せられ、連行されていきます。それを後ろから見ながら「ちょうちょう~」と叫びながら膝から崩れ落ちる副町長。
と、たったこれだけの短い尺の動画なんです。
だけど、その安っぽさ(失礼)というか、素人っぽさが前面に出ている動画に思わず笑いが出てしまいました。
この動画、YouTubeやその他のSNS上でかなり話題になっているそうですよ。
次に動画を貼っておきますね。
動画に出演しているのは、山本雅則町長、岡田清副町長ご自身。そして新聞記者、刑事などの配役はすべて町の職員の方々だそうです。
ちなみに私がニュースを観て知ったこの動画のタイトルは「町長逮捕?編」でした。この動画が第一話で、続編として、2話「取り調べ編(1)」、第3話「取り調べ編(2)」最終話「裁判編」があります。
ストーリーの企画から撮影まで、外注することなく、すべて、町の職員5人がチームを組んで行い、撮影はスマートフォンを使用、編集は無料のソフトを使うなど、経費をかける事なく制作したとのこと。
この動画を作った目的は、「町の子育て支援」そして「ふるさと納税」のPRだそうです。
動画の内容自体はこういったことのPRにはなっていませんが、まずはインパクトのある動画で注目を集めたうえで、その先に繋げていこうとする作戦なのでしょう。
今では、地方自治体のPR動画は山のようにありますから、普通に町のPR動画を作っても埋もれてしまう、だからこのようなインパクトのある動画を作成したのでしょうね。
いかがだったでしょうか?
今回取り上げた2つのPR動画は共に、専門の業者を使うことなく、自分達で作って公開したものでした。
iPhoneなどの動画撮影技術の向上、そして、無料で使える動画編集ソフトの普及などがこういった傾向に、より一層の拍車をかけていくかもしれませんね。
しかし、何と言っても、無料で動画を公開できて、多くの方に拡散することができる仕組みをもったYouTubeの存在というのは本当に大きいですね。
本日の記事は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。