セールスレターとは
セールスレターという言葉を知っていますか?
文字通り、商品・サービスを販売する際の手紙・文章という意味です。
誰もが知っている商品やサービスを販売するときは、セールスレターを書くということは少なく、その商品の機能や規格をちゃんと書いておけば、あとは、信用・値段・サポートの差で売れるか売れないかが決まります。
例えば、アマゾンや楽天で買い物をする際のことを思い出していただければ分かると思います。
そこには商品の色やサイズ、ちょっとした特徴などが書かれているだけですがそれでもどんどん売れます。
しかし、お客さんにとって未知のものを販売しようとしたときには、セールスレターがないとなかなか売れません。
「セールスレター?」という方も多いと思いますので、TVショッピングを思い出していただくとイメージがしやすいかもしれません。
TVショッピングを観たことがないという人はおそらくいないでしょう。
TVショッピングでは、商品紹介者の言葉とVTRを使い商品を説明し販売していく形式が多いですね。
あの会話の流れを文字に起こしたようなものだとお考えください。
いかがですか?
イメージできましたでしょうか?
なので、結構長めの文章を書くことになります。
「でもそんなセールスレターなんて見たことないように思うけど。。」
このようにお感じになる方も多いでしょうね。
そうなんです。
セールスレターを使い販売する商品・サービスにはある傾向があります。
例えば次のような商品・サービスなどには多用されます。
1.実店舗をもたず、通信販売の形式だけで販売される商品(通信教育・健康食品など)で、ターゲットが45歳位以上の年齢層
2.士業、高額医療(インプラント等)等、生涯で数回程度しか利用しないサービス
特に「1」の業種では「セールスレター」の出来栄えが売上高に大きな影響を及ぼします。
最近では、Youtubeの動画を併用するケースも増えてはきましたが、メインは文章を使った販売です。
「でもやっぱりイメージができない」という方は、商品を販売するためのLP(ランディングページ)を集めたサイトのURLを貼っておきますので御覧ください。
LPは画像も多用していますが、やはり文章が基本です。LPから画像を抜いてみればそこにセールスレターのエッセンスを見ることができます。
セールスレターは魔法の文章?
今から3年ほど前、フリーランスでセールスレターを書くことを仕事にしている男性と食事をする機会がありました。
そのとき私は彼に、普通の人と、セールスレターを書くのが上手い人では、売上にどのくらいの差が出るのかを訊いてみました。
答えは「10倍位差が出ることも珍しいことではない」
という答えでした。
この差は大きいですよね。
彼は売上に対する歩合で報酬を受け取っていました。報酬額を訊いてその多さにびっくりした記憶があります。
彼は次のようにも言いました。
「セールスレターを書くのが上手い人は、文章の力だけで大きな売上を上げることができます。たとえ販売する商品がイマイチであっても文章の力があれば販売することができてしまいます」
「なぜなら、人は理屈ではなく感情でものを買う生き物だからです。感情でものを買い、後でそれを理屈で正当化するんです」
あなたも心当たりありませんか?
自分は大いに心当たりがありましたよ(笑)
感情に働きかけて行動を起こさせる文章テクニックがセールスレターなんですね。
セールスレターの起源
セールスレターの起源はアメリカにあります。
国土の広いアメリカでは、通信販売の手法を使った販売方法が広く浸透しています。
(最近ではもっぱらWebに移行していますが)
広告宣伝費に多くの費用を割ける大企業はテレビコマーシャルを使い商品を販売できますが、中小企業はそうもいきません。
通信販売では媒体に記載する「文章」が全てです。
写真ももちろん使いますが主役は文章なんですね。
文章を使って商品を販売するテクニックが研究され、大きな成果を上げた人はその実績を基にコンサルタントに転身し、そのテクニックを広めていきました。
また、それらを書籍にし販売することで、セールスレターに関するノウハウは広く広がり、また、そのノウハウに更に磨きをかけることでブラッシュアップされていきました。
このセールスレターのテクニックを使い売上を飛躍的に伸ばしたのが「リーダーズ・ダイジェスト」という雑誌です。
リーダーズ・ダイジェストの記事には、オリジナルの記事、他の雑誌から転載された要約記事、本の抜粋、ジョーク集、逸話、引用、その他の短い記事、そして通販広告を掲載し、今でも刊行されています。
同雑誌は、アメリカ以外に世界100カ国以上発行されており、4000万人の読者がいると言われていますからすごい数ですよね。
このリーダーズ・ダイジェストの拡販手法、掲載商品の販売手法は、日本の通信教育、通信販売企業も参考にしていました。
日本の通信販売企業の中でも、大手で、雑誌「通販生活」を刊行する株式会社カタログハウスの創業者である斎藤駿氏は著書の中で次のように書いています。
【『通販生活』は、『リーダーズ・ダイジェスト』の嫡子である。『リーダーズ・ダイジェスト』は私どものお母さんである。】
※小売の説得術 ダイヤモンド社より引用
「私どものお母さんである」という言葉にリーダーズ・ダイジェストの影響の強さを感じますね。
さて、今でこそ「セールスレター」という言葉はマーケッター及び広告担当者の間では普通に使われていますが、今から20年前くらいまでは一般的な言葉ではありませんでした。
私が知る限り、「セールスレター」という言葉を一般的にしたのはマーケッターの神田昌典氏だと思います。
神田氏が主宰していた顧客獲得実践会というダイレクトレスポンスマーケティングの勉強会で使われだしたのが発端であったと記憶しています。
なぜそう言えるのかと言えば、私自身がこの会に所属していたらかなんですね。
この会の中で神田氏は、セールスレターには型があり、その型に沿って書けば誰でも比較的簡単にセールスレターを書くことができることを紹介してくれました。
これ以降、セールスレターは発展を続け、今では神田氏が提唱した型以外にも複数の型が存在しています。また、セールスレターに関する書籍も多く出版されるようになりました。
次回のPRステーションの記事では、セールスレターの型を2つご紹介します。
それでは次回をお待ちください。