「人の行く裏に道あり花の山」という格言をご存知でしょうか?
この格言は、「相場」の世界ではとても有名です。
「他人と同じことをしてちゃだめ、成功したければ人がしないことをしなさい」という意味です。
お花見で人が大勢いるところを避けて裏道を行くと、花がたくさん咲いている場所に出られたという例え話が由来です。
今日は、そんな「人の行く裏に道あり花の山」を実践して成功したPR事例をご紹介します。
どんなPR事例かというと、インスタグラムを使った乳がんの早期発見セルフチェックの重要性を啓蒙するもので、PRを行ったのは、イタリアに本部を置くNGO団体「ANT Foundation」です。
インスタグラムは、世界で4億人が使う巨大なSNSですが、ヌードの写真を投稿することは禁止されています。バストの写真も同様です。
この規約に違反するとアカウントの停止処置を受けることもあります。
この規約に反対する人たちは、バストのトップに小さな絵文字などを貼ることでインスタグラム側の検閲を回避するという苦肉の策を取っていました。
このことに着目したのが、前述した「ANT Foundation」です。
乳がんの早期発見と、セルフチェックの大切さをかねてより発信していた同団体は、インスタグラムにアカウント「#touchthem」を開設しました。
そして女性たちに、手の形の絵文字でバストトップを隠した写真を投稿するよう促しました。
このことによって日頃から自分のバストを触る習慣をつけ、乳がんをできるだけ早い段階で見つけよう、と呼びかけたのです。
このPRは、セレブや多くの女性に支持されて、爆発的に拡散されました。
また、新聞・雑誌など様々なメディアでも紹介された結果世界84か国で3,800万件ものインプレッションを獲得しました。
ANT Foundationは、「ヌード写真は禁止」というインスタグラムの規制を逆手にとってPRを大きく成功させたわけです。
まさに「人の行く裏に道あり花の山」です。
「●△□はだめ」という規制を読むと、我々日本人は国民性からか盲目的に従うところがあります。
もちろん規制を守ることは大事です。
しかし、そこで思考をストップさせてしまっては、なかなかブレイクスルーは生まれてきませんね。
規制を侵すことなく「工夫して回避できないか?」「むしろそれを逆手にとることはできないか?」という思考を巡らす癖を日頃からつけておくことが重要だと感じます。