今から20年くらい前、JRの駅といえば、単に電車に乗るための場所に過ぎませんでした。
ちょっとした買い物ができる「KIOSK」や、小腹を満たしたり、時間がないときの食事を摂るときに便利な「立ち食い蕎麦」はありましたが。
しかし、最近ではJR駅構内外は大きく変化を遂げています。
東京駅、品川駅、赤羽駅等にある「ecute(エキュート)」は、キラキラしていて、なんだか楽しそうな雰囲気を醸し出しています。
美味しそうな中食のお店が軒を連ねていますし、美味しいと評判の外食チェーンなども出店していて、ついつい立ち寄ってしまいそうになります。また、駅構内のコンビニである「NEW DAYS」も会社帰りに買い物ができて本当に便利です。
駅構外に目を向けてみても「アトレ」を代表とする品揃え豊富で、魅力的な商業施設の出店が増えていますね。
今や、JR東日本の主要な駅は、買い物・飲食ができる魅力的な施設群としても捉えられています。
さて、そんなJRが駅構内外のスペースを商業スペースとして活用する動きが強まっています。
まず、駅構内においては、8月1日から東京駅・新宿駅・池袋駅・立川駅に今流行の「シェアオフィス」を駅中にオープンさせました。
シェアオフィスといってもそれは建物の中の一室というのではなく、大きめの公衆電話のような形状です。その名称は、ブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」。
【画像は、JR東日本ニュースより引用】
このSTATION WORKは、今、日本が喫緊の課題として抱えている「働き方改革」のサポートなどを目的としたシェアオフィス事業となります。
写真を見てもらえれば分かるかと思いますが、非常にコンパクトな形状となっています。JRの駅を乗り換えるとき、電車内ではできない、事務作業を行うのに便利でしょう。
また、今年の秋には、東京駅丸の内地下改札外において、コワーキング型「STATION DESK」1号店を開業する計画としています。
駅中が益々便利に変化していきますね。
次に、駅構外においても新たな活用への取組が進んでいますのでご紹介します。
最近では、高架下のスペースの有効活用が進んでいることはご存じの方も多いとは思いますが、9月3日、JR東日本グループの株式会社ジェイアール東日本都市開発と、JR東海グループの東京ステーション開発株式会社が、日比谷・銀座エリアに残された歴史ある煉瓦アーチ高架橋と高架下の大空間を魅力ある商業施設へと生まれ変わらせるプランを発表しました。
我々の間では「新橋のガード下」という呼称で親しまれている場所で、新橋、銀座、有楽町方面で働くサラリーマンの方たちの聖地のような場所ですね。
この場所に、様々なスタイルのバーと上質な食体験を提供する「大人のナイトタイムを楽しめるゾーン」、高架下らしく気軽に通える飲食店や自分らしい時間を過ごせるカフェが集まる「飲食ゾーン」、新しいスイーツや技術・素材にこだわった逸品が並ぶ「食物販・雑貨・ファッションゾーン」から成る商業空間が誕生するとのことです。
私の普段のプレイスポットは新橋、銀座でガード下は頻繁に行くので、これは今からとても期待しています。
このように高架下を飲食店などの商業施設として活用するケースはびっくりするようなことではありませんが、次にご紹介する活用例はちょっとびっくりするような内容です。
2020年春、東京都小金井市の中央線の高架下に学生向け賃貸住宅を開設するというものです。これまで店舗や保育所、オフィスなどはあったものの、賃貸住宅はJR東日本としては初めてだそうです。
部屋の数は109室で、食堂やカフェテリアなど共用スペースも備えるそうです。部屋の広さは、10.44~15.94m2と若干狭めですが、家賃は5万円台(共益費は別)からの設定になっており、近隣の賃貸マンションと比べると低めに設定されています。
しかし、高架下に賃貸住宅ってすごいですね。
電車が通る時の騒音は大丈夫なのでしょうか?
JR東日本によると、住宅の天井部分は高架と接しておらず、生活に支障がないよう対策も講じるそうです。
JR東日本の広報担当者は「通過音に加え、日当たりの悪さなど難しい面もあるが、賃料や立地も考慮して選んでいただければ」と話しています。
いかがでしたでしょうか?
JRは、電車の会社という認識ですが、今後は電車事業を中心としながらも、その業態を大きく変容させていくのでしょう。
「もう一度働きたい!」ママのためのママドラフト会議®
子育てをしている女性の再就職というのは、なかなか難しいものがあります。
その背景には、経営者からみると、「安定した出勤を期待し難い」ことがあります。
小さい子供は、急に発熱したりしますので、母親は、突然会社を休んだり、早退したりすることがどうしても避けられません。
しかし、高齢化が進み、人材不足が慢性化する現状では、子育て中の母親を戦力として活用する仕組みも必要となってくるでしょう。
一部の企業では、子育て中の母親を積極的に採用しているようですが、広い目で見るとまだまだと言わざるを得ません。
さて、そんな子育て中の母親の再就職を支援するため、NPO法人ママワーク研究所では、「ママドラフト会議(R)IN新山口」を10月22日、山口市のJR新山口駅北口駅前広場で開きました。
再就職を希望している子育て中の母親28人と、人材を募集している企業23社が参加しました。
このドラフト会議において参加企業は、子育て中の母親でも働きやすい環境や制度が会社内にあることをアピールします。
そして母親は、自分のスキルをPRし、お互いをマッチングします。
ドラフト会議の開催は今年で10回目とのこと。
この活動により、再就職先を見つけることができた母親も数多くいるそうです。
子育て中の母親を会社の戦力として雇用し育てていくことは難しい面もあるかもしれませんが、今は、ZOOMなど、安価で使用できるテレビ会議システムもありますので、工夫次第では大きな戦力とすることも可能でしょう。
今後、このような活動が益々広がって行くことを期待したいところです。