『ネット上のトラフィックの全90%以上がすぐにオンラインビデオになるだろう。』
この言葉は、約7年ほど前にGoogleの副社長であり、YouTubeのグローバルヘッドでもあった、Robert Kyncl(ロバートキンコー)氏が言った言葉です。
これは、通信のスピードと品質が飛躍的に伸び、それに伴いネット上のコンテンツはテキストと写真中心から動画へ移行していくということを予見した言葉でした。
今年になってこの言葉が俄然、現実味を帯びてきました。
それは、今年2019年、次世代通信規格「5G」のサービスが開始予定となっているからです。
「5Gと言う言葉、最近よく聞くな~」という方が多いのではないでしょうか?
今、世界を賑わせている、中国の大手通信企業「ファーウェイ」のニュースの中で5Gという言葉が頻繁に登場しますね。
ここでは、5Gの詳細な説明については割愛しますが、この5Gがサービス開始となった場合には、新たに様々なサービスが登場し、現行のサービスも大きく変化すると言われています。
それらの中でも大きく変わるのは、インターネット上のコンテンツではないかと言われています。
現在、私たちがスマートフォンで使用している通信規格の多くは「4G」です。5Gは4Gよりも理論値では、100倍のスピードが出ると言われています。
また、同じく理論値では、一般家庭に普及している固定回線(光回線)よりも10倍ほど早いそうです。
こうなってくると、スマートフォンで動画を観るときのストレスは全くなくなるでしょう(キャリアに支払う費用は別として)。
このことにより、インターネット上の動画コンテンツが今以上に充実し、増えることにつながり、結果、インターネットを使ったPR業務も大きく変貌を遂げる可能性が大きいと言えます。
特に若年層向けの商品・サービスを扱う企業は、動画コンテンツを使ったPRの研究が必要になります。
なぜかと言うと、先月、株式会社ジャストシステムが行った調査結果がそのことを如実に示唆しているからです。
株式会社ジャストシステムは、同社が運営する「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」において、全国の17歳から69歳の男女1,100名を対象に毎月1回実施する『動画&動画広告月次定点調査』の2018年1月〜12月分の結果をまとめ、分析した『動画&動画広告月次定点調査 2018年総集編』を発表しました。
この調査によれば、2018年に最も利用された動画のプラットフォームは、前年に続き「YouTube」(2017年6月度調査:91.7%、2018年12月度調査:91.0%)でした。
動画プラットフォーム市場でYoutubeは圧倒的な強さを持っています。
しかし、そのYoutubeを追い上げる動画プラットフォームが出てきました。
それが若い女性に圧倒的な人気を誇る「Instagram」です。(2017年6月度調査:20.0%、2018年12月度調査:28.3%)
特筆すべきは、10代が動画を視聴するプラットフォームとして、「Instagram」は昨年1年間で利用率を2倍以上伸ばしたということです(2018年1月度:26.8%、2018年12月度:59.4%)。結果、「Twitter」の利用率に迫っています(2018年1月度:52.4%、2018年12月度:66.7%)
2017年、「インスタ映え」という言葉が流行語大賞を受賞しました。その勢いは更に強くなっているようです。
では、動画コンテンツを毎日観ている人の割合はどのくらいいるのでしょうか?
2017年6月度調査時の動画コンテンツを「毎日視聴している」人の割合は24.1%でしたが、2018年12月調査では27.0%に増加。年代別に見ると、10代は54.0%、20代は37.5%、30代は26.5%、40代は22.5%、50代は19.0%、60代は16.0%でした。
株式会社ジャストシステムは、10代の半数以上が「動画コンテンツを毎日視聴している」と回答した結果から、若年層での動画コンテンツの視聴は日常の行為として浸透しているとの見解を示しました。
インターネット上から、テキストのコンテンツがなくなることはまずありえませんが、今後は徐々に動画コンテンツが主役となっていくでしょう。
このことを象徴するように、最近では、テキストベースで投稿するブログに変わり ビデオを投稿するV-LOG(ブイログ)という形式のブログも増えつつあります。
実際に、多くのクリエイターたちがV-LOGへと移行し初めているようです。
今年以降は「動画コンテンツの研究・利用」は欠かせなくなるでしょう。