本日の記事は、「ゆるキャラ(マスコットキャラクター)について考えてみました」です。
現在開催中の「大阪・関西万博」では、「ミャクミャク」というキャラクターが作成されましたね。
あなたはミャクミャクどう思いますか?
私の率直な感想は「気持ち悪い」ですね。
「なぜ、このデザイン?」という感じがします。
でもまぁ、一回見たら忘れないデザインで、インパクトはあるので万博のPRキャラクターとしては効果はあるのかもしれません(でも可愛くない)。
そして意外にも、ミャクミャク関連グッズの売り上げは大好調なのだとか。。
人の感性は分からないものですね。
個人的にはゆるキャラブームはひと段落したように感じていましたが、「ミャクミャク」の件と、来る9月27日・28日に、日本最大級のゆるキャラ祭典「ゆるバース2025」の開催が決定したとのニュースを見て「ゆるキャラ人気は不変なのかな?」とも感じました。
日本人はなぜか、こういったゆるキャラが好きな感じですね。実にたくさんのゆるキャラが存在します。そこで本日の記事では、このゆるキャラについて深堀りをしてみました。
ゆるキャラの種類
ゆるキャラは、大きく以下のような4種類に分類できると考えます。
ご当地キャラ(地域PR型)
都道府県や市町村など自治体が地域活性化や観光PRのために作成したキャラクターのことです。
例:くまモン(熊本県)、ひこにゃん(滋賀県彦根市)、ぐんまちゃん(群馬県)、ふっかちゃん(埼玉県深谷市)などがあります。
各都道府県・市町村ごとに多数存在し、地元の名産品・歴史・風習などをモチーフに作成されることが多いようです。
企業・団体キャラ(プロモーション型)
企業や団体が自社製品やサービス、イベントのPRのために作成したキャラクターのことです。企業の公式キャラクターやキャンペーンキャラクターなどで、思いつくまま列挙すると下記のようなものが挙げられます。
食品・飲料系
・ペコちゃん・ポコちゃん(不二家)
昭和から続く老舗キャラクターで、長年親しまれています。
・Qoo(コカ・コーラ)
子ども向け飲料「Qoo」の青いキャラクター。CMやパッケージでおなじみ。
・チキンラーメン ひよこちゃん(日清食品)
かわいらしいひよこのキャラクターで、SNSやCMでも活躍。
サービス・小売・通信
・スーモ(リクルート)
緑色のふわふわした不動産情報サービスのマスコット。
・お父さん犬(ソフトバンク)
白い犬のキャラクターで、CMシリーズでも人気。
・ドンペン(ドン・キホーテ)
ペンギンの公式キャラクターで、店頭やSNSで活躍。
・お買いものパンダ(楽天)
楽天の公式キャラクターで、LINEスタンプやグッズ展開も。
その他の有名キャラクター
・ドナルド・マクドナルド(マクドナルド)
世界的に有名なファストフードチェーンのマスコット。
・カーネル・サンダース(ケンタッキーフライドチキン)
おそらく知らない人はいないでしょう。店頭の人形でもおなじみ。
・ぴちょんくん(ダイキン工業)
水滴をモチーフにした空調メーカーのキャラクター。
こうやって挙げていくと、「あ~、あれね!!」って感じで、その画像がすぐに頭に思い浮かぶのではないでしょうか?
ただし、狭義の「ゆるキャラ」定義では企業キャラを除外する場合もあるようです。イラストレーターで漫画家のみうらじゅん氏は「ゆるキャラ三か条」というものを提唱していて、その条件は次の三つになります。
1.郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること
地域や土地への愛着や、その土地ならではの魅力を強くアピールしていること。
2.立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること
動きや存在感がどこか頼りなく、個性的で独特な雰囲気を持っていること。
3.愛すべき「ゆるさ」を持ち合わせていること
完璧ではなく、どこか抜けていて親しみやすい、愛嬌のある「ゆるさ」があること。
この三か条を満たすキャラクターが「ゆるキャラ」とされ、特にご当地キャラや地域振興を目的としたキャラクターが該当するようです。
では、次に進んでいきましょう。
イベントキャラ
特定のイベントやキャンペーン専用に作られるキャラクターのことです。
地域のお祭りやスポーツ大会、観光キャンペーンなどで活躍しています。
非公認キャラ
自治体や団体から公式認定されていないが、地域住民や有志が独自に作成して活動しているキャラクターのことです。代表的なものとして、「ふなっしー(千葉県船橋市)」が挙げられます。「ふなっしー」は一時期、メディアへの露出度が凄かったですね。ふなっしーのおかげで「船橋市」の存在を知った方は多いのではないでしょうか(関東在住以外の方は特に)
ゆるキャラが作られた主な目的
そもそも、ゆるキャラは、地方自治体、企業・団体の認知度向上・PR(広報活動)を目的として作られたマスコットキャラクターで、主に以下のような目的で誕生しています。
地方自治体の場合
地域の魅力発信・イメージアップ
地方自治体や地域団体が、地元の歴史・文化・特産品・名所などを全国にアピールする手段としてゆるキャラを活用しています。例えば、滋賀県の「ひこにゃん」は、彦根城の築城400年祭を盛り上げるために誕生しました。
観光客の誘致
「会いに行けるキャラ」として観光地の目玉となり、イベントやグッズ展開などを通じて観光客を呼び込む存在になります。キャラクターに会えるイベントが観光のきっかけになるケースも多くあります。
地域住民の一体感の醸成
地元の人たちが親しみやすく感じられる存在として、地域の愛着や連帯感を高める効果があります。子どもから高齢者まで幅広い層に親しまれ、地域の“顔”になることも多いようですね。
地場産品のブランド化・販促
特産品にキャラクターを活用することで、商品の魅力をわかりやすく伝え、売上アップを図ることができます。パッケージにキャラがいるだけで目立ち、消費者の購入意欲も高まります。
企業・団体の場合
企業・団体がゆるキャラを作る目的は、地方自治体とは若干異なります。
ブランド認知度の向上
企業や商品の名前を覚えてもらうために、印象的で親しみやすいキャラクターを使うことで、ブランドの顔として記憶に残りやすくなります。たとえば、ソフトバンクの「お父さん犬」や、日清食品の「チキンラーメンのひよこちゃん」などが代表例です。
企業イメージの向上・親しみやすさの演出
「堅い企業」「見えにくい業界」のイメージを柔らかくし、消費者に親近感を持ってもらうためにゆるキャラが活躍します。特に金融・インフラ・ITなど、一般消費者との接点が少ない業種でよく使われます。
商品・サービスの差別化
同じような商品が並ぶ市場で、キャラクターによって他社商品と明確な違いをアピールしやすくなります。特に、子どもやファミリー層をターゲットにした商品で効果的です。
SNSや広告での拡散効果を狙う
ゆるキャラは見た目のユニークさから、SNSでの拡散力が高く、バズりやすいというメリットがあります。キャラクターを前面に出した投稿やキャンペーンは、自然にファンを獲得するきっかけになります。
販促・キャンペーン活動に活用
キャラクターを使ってノベルティやグッズを制作することで、購買意欲を刺激したり、集客効果を高めたりすることができます。来店イベントや限定商品とのコラボで使用されます。
社内ブランディング・従業員の士気向上
外部向けだけでなく、社内向けにもキャラクターを使うことで、企業文化の浸透や一体感の強化に役立つ場合があります。社内報やイントラネットに登場する企業キャラも存在します。
ゆるキャラのPR・経済効果
では、最後に、ゆるキャラがもたらすPR・経済効果についてご紹介します。すべてのゆるキャラについて記載することはできないので、地方自治体の代表的なゆるキャラである「くまもん」について次に記載します。くまもんは、単なる「かわいいマスコット」を超え、地域ブランド戦略の超成功モデルとして高く評価されていますよ。
関連商品売上高(2023年) | 1,664億円 |
関連商品累計売上高(2011年~) | 1兆4,596億円 |
経済波及効果(2012~2013年の2年間) | 約1,244億円 |
メディア露出価値 | 約90億円 |
観光客増(2012~2013年の2年間) | 約18.8万人 |
かなり凄い数字が並びました。特にくまもんの関連商品の累計売上高は目を見張るものがあると言えるのではないでしょうか?
これを見て「ゆるキャラの経済効果は凄いんだ!うちでも検討してみるか。。」とお考えになる関係者の方も多いかもしれません。しかし、ゆるキャラを作成し、認知度を高め、十分なPR効果を得るのはかなり至難の業と言えます。十分に企画を練り、広報・PR活動を行っても不発に終わる、または一過性の成功にとどまることの方が多いでしょう。
その理由は、活動の「継続性」が重要であり、予算を継続的に投下しないといけないこと、そして何と言っても「デザイン」に左右されるためです。どんなに高額の報酬を支出し、高名なキャラクターデザイナーに依頼してもそのデザインがヒットする保証はどこにもありません。有名な作曲家に依頼した曲が必ずしもヒットするわけではないのと同じようなものですね。
ちなみに、冒頭、胸に「PR」と書かれたスーツを着た「クマ」の画像がありましたが覚えていますか?
この絵、AI(Google Gemini)に「PR会社のゆるキャラを作って」と指示して描いてもらったものです。いかがですか?ちょっとインパクトに欠ける感じでしょうか?
しかし何回も修正を依頼していけば使えるものができるかもしれませんね。本当に便利な世の中になりました。
本日の記事は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。