10月14日、「都道府県魅力度ランキング」が発表されました。
一位は北海道で、最下位は茨城県でした。
茨城県は、都道府県魅力度ランキングで下位に甘んじることが多く、2022年は46位、2021年は最下位、2020年は42位でした。2009年のランキング開始以来、茨城県が最下位になるのはこれで12度目です。
茨城県の大井川知事は10月20日の記者会見で、「ランキングはもはやテレビのエンターテインメントになっている」と述べました。
この発言は、ランキング発表後のマスコミや情報番組での茨城の扱いを見ると理解できます。
このランキングの結果を受けてかどうかは不明ですが、いばらき観光キャンペーン推進協議会はJRと協力し、「想像超え茨城」というキャッチコピーで茨城の魅力を伝える『茨城デスティネーションキャンペーン(DC)』を2023年10月から12月に実施しています。
このキャンペーンでは、様々な企画やイベントが行われており、特にSNSやテレビで話題となっているのが「女将カード」。
「女将カード」って聞いたことありますか?
「女将カード」とは、茨城県内のホテルや旅館の女将たちが作成した、茨城県ホテル旅館生活衛生同業組合「いばらき女将の会」のカードです。例えば「仮面ライダーカード」や「ポケモンカード」のようなもので、サイズは縦8.8cm、横6.2cm。
実際の券面を見た方が話が早いですよね。下記の写真がそうです。
【※画像は「観光いばらき公式ホームページ」から引用】
表面には女将の写真と、快活さ、接客力、体力、語学力などが数値で示されています(これらの数値は自己申告制だそうです)。
裏面には、女将が勤める旅館やホテルの写真と概要が記載されています。
このカードは「マイクポップコーン」というポップコーンを購入すると1枚付いてくる仕組みで、単体での購入はできません。
【※画像は「観光いばらき公式ホームページ」から引用】
カードの種類は28種類あり、その中にはレアカードも含まれています。レアカードを引き当てると、「いばらき女将の会」に参加するホテルや旅館で使用できる割引特典があるそうです。
カードを求めて県外から訪れる人も多く、中には大量購入する人もいるそうですよ。
12月末までの期間限定で4万袋以上が発売されましたが、すでに売り切れとなった店も多く、残数は僅かだそう。
地方の観光地を盛り上げるPR企画は数多くありますが、多くが似たような手法を採用している中で、「女将カード」というアイディアは特に秀逸だと感じます。
横展開が可能なPRですよね。
では、次の話題に進んでいきましょう!
ステルスマーケティングが法律違反に!
ステルスマーケティング(以下「ステマ」と表記)が本年10月1日から法律で規制されるようになりましたがご存じでしょうか?
そもそもステマとは何なのかということ、消費者に対して広告・PRであることを秘匿したまま行われる宣伝手法を指します。
「あーなんかニュースでステマ規制とか言ってたっけ?法律違反なんだ!」という方が多いのではないでしょうか?
「倫理的にダメ」とかではなく、景品表示法という法律によってダメになりました。なので慎重に対応する必要があります。
以前も宣伝の表現自体がオーバーというか、いわゆる「盛った表現」である場合においては、景品表示法違反になるケースもありましたが、2023年10月1日からは「広告・宣伝であることを隠す」ことが規制対象となっています。
ちなみに景品表示法違反によって罰則を受けるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告・宣伝の依頼主)です。
同法に違反した場合は、まず、再発防止を求める措置命令が出され、広告・宣伝を依頼した事業者名が公表されることになります。そして、措置命令に従わなかった場合には、2年以下の懲役または300万円以下の罰金などが科されます。
罰金も大きいですが、事業者名が公表されることによって、会社の名前に傷がつくことになり、ブランドイメージは失墜することになります。
規制の対象となるステマの手法には次の2種類があります。
1.企業が一般の消費者を装い、製品に高い評価を与える方法
例えば、社員がレビューサイトに偽の高評価レビューを投稿したり、第三者に委託して消費者を装ったブログを運営したりする行為がこれに該当します。
2有名人やSNSインフルエンサーに対し、広告であることを伏せて宣伝を依頼する手法
例えば、「この商品を5万円で紹介してください、ただし弊社のPRであることは明かさないでやってくださいね」といった形での宣伝依頼がこれにあたります。
では、なぜステマが法規制を受けるようになったのでしょう?それは次の2つが大きな理由となります。
1.消費者の誤認を招く
ステマは、宣伝活動であるにもかかわらず、それを消費者に明示しないため、消費者はその情報が中立的な意見やレビューだと誤解する可能性があります。これにより、消費者は実際よりも製品やサービスに対して肯定的な印象を持つことになり、誤った判断を下す可能性があります。
2.正当にビジネスを行っている企業に損害が及ぶため
ステマによって、正当にビジネスを行っている企業までが損害を受けることがあります。ステマを行った特定の事業者だけでなく、その業界全体に対する信頼が損なわれる傾向があります。例えば、「食べログ事件」や映画「アナと雪の女王2」のような過去の事例では、ステマを行った個別の事業者だけでなく、その事業者が所属する業界やSNSに投稿した著名人の信用にも影響が出ています。
「まぁ、この位はいいか」という油断が大怪我の基になりますから、特に広報・PR業界に所属する人は景品表示法を詳しく読み込んでおく必要があると感じます。
本日の記事は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。