人材育成に関するノウハウや、人間関係を良くするノウハウはたくさんありますが、その中でも最近、特に注目されているのが「ポジティブフィードバック」です。
ポジティブフィードバックとは、ある行動、良い結果や、良いパフォーマンスに対して肯定的な反応や励ましを与えることです。
まぁ、褒めるということですね。
職場で、上司・リーダーなどが、部下やメンバーに評価を伝える際、または、同僚に対する評価を伝える際に利用されます。もちろん職場以外でも効果を発揮します。
人間は、自分の努力や成果が認められることでやる気を高め、自信を深めることができますよね。また、自分の努力が認められることで、同様の行動を続ける意欲が高まる場合があります。ポジティブな言葉をかけられると多くの人は元気が出ますし、やる気も高まります。
ポジティブフィードバック と聞くとなんかかっこいい響きですが、昔から言われる「褒めて伸ばす」と言った意味合いと同じことです。
あなたにも何かを褒められてから、そのことを一生懸命になってやったことや、それ以降、褒められたことが好きになったり得意になったことがあるのではないでしょうか?
では、まず、ポジティブフィードバックを行うメリットからみていきましょう。
ポジティブフィードバックを行うメリット
では、ポジティブフィードバックを積極的に行うことで得られるメリットには、どのようなものがあるのかを挙げてみます。
1.被評価者のやる気、モチベーションが向上する
他人から、特に上司やチームリーダーからの肯定的な評価や称賛は、被評価者のやる気、モチベーションを高めます。
2.被評価者のスキルが向上する
仮にExcelを使った資料作成について高い評価を受ければ、被評価者は、更にExcelのスキルを向上させようと知識の習得に意欲的になるはずです。私達が子供のころ、テストで良い点をとって親から褒められると、嬉しくなって更に勉強したのと同じですね。
3.成長のスピードが早くなる
仕事やスキルアップに対するモチベーションが高くなれば、自然とその人の仕事上の成長スピードも早くなります。
4.自己肯定感、自己効力感が向上する
自己肯定感とは、自分自身を認め、大切に思う気持ちのこと。自己効力感とは、自分の能力やスキルを信じ、困難な状況でもやり遂げる自信のこと。職場にこれらが高い人が増えれば、おのずと職場環境は良くなり、業績の向上にも繋がっていきます。
5.チームや組織の連帯感の向上
ポジティブフィードバックを積極的に行うことは、チームや組織全体の連帯感を高める効果があります。相互の成果や取り組みを称賛し合うことで、メンバー間の信頼関係や協力関係を強化することができます。
ポジティブフィードバックを行うタイミング
ポジティブフィードバックを行うタイミングは、次のような場面や状況が適切です。
1.成果が出たとき、目標が達成できたとき
成果が出たときや、目標を達成したときにポジティブフィードバックを与えるのは、モチベーションを高めるための良いタイミングとなります。成果が出た直後や目標を達成した後は、本人もそれを認めて欲しいという気持ちが高くなっているので、フィードバックが更に効果を増します。
2.成長や進歩が目に見える場面で
自己成長やスキルの向上が明確に見られる場面でのフィードバックも効果的です。新しいスキルを習得したり、なんらかの成長が見られたときにフィードバックを行うことで、「自分のことをちゃんと見てくれているんだ」という気持ちが生まれ、評価者への信頼感も増します。
3.努力や取り組みに対して
ポジティブフィードバックは、努力や取り組みに対しても行うことが非常に重要です。特に困難な課題に取り組んでいる人や頑張っている人に対して、その努力や意欲を評価し称賛することは、モチベーションを高める上で非常に有効です。結果が出た人だけにポジティブフィードバックを行うことは絶対に避けましょう。
4.チームや組織の成果を共有する場面で
チームや組織全体の成果を共有する場面で、ポジティブフィードバックを行うことは、連帯感を高める効果があります。集まったメンバーがお互いの成果を認め合い、共有することで、チームのモチベーションや協力関係を向上させることができます。
ポジティブフィードバックを行う際の注意点
では最後に、ポジティブフィードバックを行う際の注意点をご紹介します。
1.すぐに行う
前述しましたが、成果が出たとき、目標を達成したとき、なるべく時間を空けないでフィードバックを行うようにしましょう。時間を空けてしまうと「わざとらしく」なってしまいます。
2.主観的な考えを少なくする
偏った価値観や独断的な考えを基にポジティブフィードバックを行うと、被評価者は心の中で「そう思うのはあなただけじゃないのかな?」という考えを持ってしまいます。
3.自然に行う
「よし、明日からポジティブフィードバックを心がけよう」と意気込むと、どうしても「わざとらしい」「おおげさ」「ちゃかした感じ」になってしまう人がいます。このようになってしまうと相手は「自分のことを馬鹿にしているのか?」と思ってしまい逆効果です。ポジティブフィードバックはさりげなく自然にサラッと行いましょう。
例えば
「作ってもらった資料、とてもわかりやすかったよ。おかげで助かりました。」
「短時間でよくここまで準備できましたね。」
「今日のプレゼンテーション、よくまとまっていたね。」
「さっきのクライアントへの謝罪、すごく気持ちがこもっていたね。きっと相手にも伝わりましたよ。」
「販売目標達成ですね。努力が実りましたね。さすがです。」
このように自然な感じで十分です。
いかがでしたでしょうか?
「褒める」ということには凄いパワーがあります。
是非、あなたも本日からポジティブフィードバックを意識してみてください。職場だけではなく、家族といるとき、友達といるとき、恋人といるとき、ポジティブフィードバックを意識すると、その関係性はよくなっていきますよ。