今日の記事は、最近なにかと話題のフードデリバリー業に関する記事です。
あなたはフードデリバリーを使っていますか?
私は雨の日によく使っています。あとは「これ食べたいんだけど、わざわざ電車に乗って食べに行くのはちょっと面倒だなぁ~」って感じるときにも使います。
このフードデリバリーという業態はコロナ禍による「不要不急の外出自粛」「テレワークの急拡大」などによる「巣篭もり需要」の拡大を受けて急成長しました。
日本能率協会総合研究所の調査によると、2019年度に1700億円だったフードデリバリー市場の規模は、2022年度に3300億円、2025年度には4100億円まで拡大すると予測しています。
凄い急成長ぶりですね!
コロナ禍以前はフードデリバリーといえば「ピザ屋」「寿司屋」「蕎麦屋」「ラーメン屋(街中華)」がメインでしたね。
これらは、自分的には「フードデリバリー」という言葉よりも「出前」という言葉の方がしっくりきますけど。
今ではおしゃれなスイーツ屋さんや、高級レストラン、高級寿司店の食事などもデリバリーできるようになり、そのオーダー数もかなりの数に上るそうです。
現在、日本ではフードデリバリー会社が乱立し、激しいシェア争いを繰り広げています。国内だけではなく外国からも様々な会社が参入し、いまや「フードデリバリー戦国時代」という様相を呈しています。
ちなみに主なフードデリバリー会社は次のようになります。
出前館、UberEats(ウーバーイーツ)、MENU(メニュー)、Wolt(ウォルト)、DoorDash(ドアダッシュ)、DiDiFood(ディディフード)、Chompy(チョンピー)、楽天ぐるなびデリバリー
この他にも営業エリアを特化して活動をしている中小の会社もあります。そんなフードデリバリー業界の中でも知名度が高く、業界トップのシェアを争っているのが「出前館」と「Uber Eats」でしょう。
特に出前館はここ数年、積極的なPR戦略によって業績を拡大し、No.1のフードデリバリー企業へと成長しました。
出前館を一躍有名にしたのはダウンタウンの浜田さんを起用したCMでしたね。
浜田さんがスーダラ節に乗せ「出前がすいすいすい~」と歌うCMを観て「出前館っていう会社があるんだ」と思った方は多いと思います。
同社はそれまで、インターネット上の広告に注ぎ込んでいた広告費の半分をテレビCMに投下することで新規の顧客を大幅に増やすことに成功したそうです。
「テレビCMの効果は薄れた」と言われて久しいですが、まだまだパワーはあるようですね。
さて、そんな出前館ですが一都三県(神奈川・千葉・さいたま)を対象に2021年11月から2022年1月31日まで過去最大のPRキャンペーンを展開しました。
主だったものを挙げると次のようなものです。
配達需要アップのための施策
・CMのキャラクターを浜田さんから人気YouTuberの「ヒカキン」さんと「はじめしゃちょーさん」に変更(このCMは好感度ランキング第2位にランクインしています)
・屋外看板広告、JR主要駅構内への大型パネル広告掲示
・フード注文時の送料(配達料)の無料化
・吉野家などの人気外食チェーン店が週替わりで半額になる「半額WEEK」を9週間にわたって展開。
この結果、一都三県のオーダー数は昨年対比で200%以上伸長し、加盟店数も100,000店舗を突破したそうです。
個人的には、これらPR施策で凄いと感じたのは「送料無料」と「半額」ですね。「送料無料だし、しかも商品が半額なら頼まないと損!」っていう心理が働き、私自身、キャンペーン期間中10回以上利用しました。
配達員(業務委託)増員のための施策
注文数が伸びても配達する人がいないと意味がありません。配達員の確保は事業の要です。増員のためには次のような施策を行っていました。
・配達員募集広告出稿量を増やす
・高額な業務委託報酬のアピール。「月収100万も可能」であることを訴求。
・キャンペーン期間に合わせた業務委託報酬の増額
これらの効果があってか、SNS上でも出前館で稼いでいる人の投稿を多く見かけるようになりました。また、これらSNSを観た人の多くが業務委託ドライバーに応募したのではないかと思います。
この3ケ月間に及ぶキャンペーンは顧客の増加にもつながりましたが、ライバル企業へダメージを与えることにも効果があったように感じます。
ドイツに本社を置くデリバリーヒーロー(Delivery Hero)という会社が運営していた「foodpanda(フードパンダ)」は1月31日でサービスを終了し、日本から撤退しました。「配達員の十分な確保が難しい」というのがその理由だそうです。
また、その他のデリバリー会社も配達員の確保には苦戦しているようで、SNSを見ているとUberEatsの配達員の多くが出前館に流れてしまっているようです。
3ケ月間に及ぶ大キャンペーンに投じた予算は幾らかは分かりませんが、巨大な額だったのは間違いないでしょう。また、このキャンペーンによって出前館がフードデリバリー会社の中で頭一つどころか二つほど抜け出した感があります。
今回のこの手法は、同じ出前館と同じく、Zホールディングス傘下の「PayPay」と似たものを感じました。
当初は赤字が継続しても、巨額の予算を武器に「無料」と「広告」で一気に市場を取りに行き、後で回収するというやり方ですね。
しかし、今回のキャンペーンで獲得した顧客がコロナ禍が過ぎ去った後もフードデリバリーを継続して使うのかどうかは疑問が残るところではあります。
また、キャンペーン終了後、業務委託手数料が下がった配達員が他社に流れてしまう可能性も大きくあります。
今後、出前館がどのように経営をかじ取りするのか注目です。
本日の記事は以上となります。
ありがとうございました。