中国発のスマホ用短尺動画共有アプリのTikTokが大人気です。
5ケ月前になりますが、モバイル版アプリの動向調査会社であるSensor Towerが4月29日に発表したニュースによると、国際版アプリTikTokと中国語バージョンのDouyinのダウンロード数が、GoogleのPlay StoreとAppleのApp Storeの合計で20億を上回ったとのことです。
TikTokは、ヨーロッパを中心に人気の高いメッセージアプリである「WhatsApp(LINEのようなアプリ)」、女性を中心に人気の高い写真投稿アプリの「Instagram」FaceBookユーザーの多くが使用するメッセージアプリ「Messenger」に続いて、ダウンロード20億を突破したアプリだそうです。
【画像はTikTokのWebサイトより】
最近では、このTikTokを巡り、アメリカと中国の間で摩擦が起きていて、連日のように新聞やテレビでも報道されているので、TikTokを「使ったことがない」「見たこともない」という方でもその名前は聞いたり、読んだりしたことはあるのではないでしょうか?
今までは、スマホ用短尺動画共有アプリ市場は「TikTok」の独断場でした。ほぼ1強と言えます。
しかし、スマホ用短尺動画のあまりの人気ぶりを、他のSNS関連企業が黙って見ているわけもなく、この市場にInstagram、YouTubeという大物が乗り込んできました。
Instagramは、Instagram上で最大15秒の短尺動画を作成できる新機能「リール(Reels)」を8月に発表しました。
また、YouTubeも同じく、最大15秒の短尺動画を作成できる新機能「Shorts」の提供を開始することを9月に発表しました。
現在、インドでベータ版の提供を開始しており、今後順次日本を含む各国での展開を予定しているそうです。
人気の理由
TikTokはなぜここまで人気を得ることができたのでしょうか?
そのポイントをご紹介します。
簡単・気軽に動画が作成・投稿できる
YouTubeに動画を投稿しようとした場合に、ハードルとなるのが次の2点だと考えられます。
1.YouTubeで最も観られる動画の尺は5分前後と言われているため、その時間のセリフや構成を考えなければいけない。
2.品質の高い動画を投稿しないと視聴者に観てもらいにくいと言われているため、音声を録音するマイクや、撮影するカメラの選択に迷う(実際は、アイフォン11proでも充分に高品質な動画が撮影できますが)
これらに対しTikTokは、動画の尺が15秒ですから、セリフ・構成を考えるとしても非常に楽です。
また、動画自体をスマホで撮影するのが前提となっていますから、高価な録音・録画機器を買い揃える必要もありません。
動画を楽しく盛ることができる
TikTokの利用者・投稿者の中心は、10代から20代の若年層です。特に、女性の利用率が高い傾向にあります。若い女性が好むようないわゆる「楽しく盛れる」機能がTikTokにはあります。
イメージが湧かない人は、一時、爆発的に流行った「プリクラ」を思い出してください。美肌にする機能があったり、写真にいろいろなコラージュができますよね。あのようなイメージです。TikTok Japanでは、自らが「動画のプリクラ」と自らのサービス・イメージを表現しているほどです。
Webコンテンツの変遷トレンドに乗っている
以前、Googleのロバート・キンコー氏が「ネット上のトラフィックの90%がオンラインビデオになるだろう」と発言しました。
そのとき自分は「そうかな・・・」と感じましたが、今のYouTube、TokTokの隆盛ぶりを観ていると「確かにそうかも」と感じます。
Web上のメインコンテンツは、確実にテキスト⇒写真⇒動画へと移っていますね。
ニュース番組で災害時のニュースが流れるとき、昔は、番組視聴者さんが自分の携帯電話で撮影した写真が使われていましが、最近ではスマホで撮影した動画が流れます。
やはり動画は写真とは違い臨場感が違いますね。まさしく「百聞は一見にしかず」だと感じます。
中毒性を生む仕掛け
Tik Tokのホーム画面で動画を観るには「フォロー中」「おすすめ」の2種類のタイムラインから動画を閲覧することができます。
TikTokでは、見たい動画を探すというより、この2つのタイムラインに用意された短尺動画を次々と流れるように見ていく、または画面を上にスワイプさせてスキップするという閲覧が特徴です。
使用感のテイストはYouTubeとは大きく違います。
YouTubeは動画をじっくりと観る感じ。
TikTokは動画を流して観る感じです。
「パッパッパッ」とカードをめくるように動画を流して観る。あくまで軽い感覚で。
私は、この感覚がTikTokの中毒性をもたらす大きな特徴の一つだと感じます。
いかがでしたでしょうか?
TikTokの面白さは文章ではなかなか伝わらないと思います。
まだTikTokを体験していない方は是非試してみてください。
短尺動画の市場はますます激化していきます。
広報・PR関係のお仕事をしている方は今、最も注目するべき分野ではないでしょうか?