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広報・PR

フォロワー16人がたった3日で2万人増の秘密とは?

私は、四国にある徳島県の山間部にある町の出身です。

級友の中には地元に残り、父親の会社を継いだ者が数名います。そういった彼らに「PR・広報活動」を勧めたり、SNSでの情報発信の重要性を説きますが、全くと言っていいほど反応がないですね。

彼らから返ってくることが、決まって次のようなニュアンスの言葉です。

「うちのように田舎にあって小さい会社は広報なんかやっても意味あるのか?」

「以前、SNSで情報発信をやってたけど、全然効果を感じなかった。無名な会社はやっても無駄」

「特徴のある商品やサービスを持っていない田舎にある従業員数名の会社がPR・広報(SNSでの発信を含む)をやる必要があるのか?」

まぁ、こういった気持ちはよくわかります。

しかし、ビジネスにおいて現状維持や諦めは後退と同じことです。常に突破口を探す気持ちが大切ですね。

私の級友と同じような環境や状況にある経営者の方も、本日ご紹介する事例をご覧になれば、先ほどの考えも少しは変わるかもしれません。

本日、ご紹介するのは、愛媛県上浮穴郡久万高原町にある「美川タクシー」という従業員僅か10人のタクシー会社がSNS(X)をきっかけにテレビ番組を中心にメディアで大きく取り上げられた事例です。

美川タクシーのXは、SNSやメディアでブレークする前は、僅か16人のフォロワーしかいませんでした。それがある投稿をきっかけにわずか3日間で2万人を超え、現在も増え続けています。

さて、美川タクシーのある、久万高原町は愛媛県の中央にあり、人口僅か「6922人」の小さな町。標高1000mを超える四国山地に囲まれていて、温暖な四国では比較的冷涼な気候であり、「四国の軽井沢」と呼ばれることもあるそうです。

下記に久万高原町を取材したテレビ愛媛の動画を貼っておきますね。

いかがですか?

じつにほのぼのした風景ですよね。

心がほっこりとします。

失礼かもしれませんが、この町の風景と従業員数10人、そして、タクシー会社という業種を考えると広報に取り組もうと考えたこと自体が凄いと思えます。

では、どのような投稿がブレークのきっかけとなったのか?

美川タクシーの広報さんは、久万高原町の綺麗な風景を中心に、Xに投稿していました。Xに掲載する写真はスマホで撮影していたそうです。

しかし、ペルセウス座流星群を美川峰( 愛媛県久万高原町にある、標高1516mの山)に観に行ったとき「どうしても綺麗な星空はスマホのカメラでは限界がある」と感じ「本格的なカメラが欲しい」という気持ちになったそうです。

そして、社長に「一眼レフのカメラを買って欲しい」と申し出たのだとか。

気前よく「いいよ」と言ってくれるのかと思いきや、返ってきたのは「いいねが1万件ついたら買ってもいい」という言葉。

当時、フォロワーが16人しかいない状況ですから、この1万いいねというのはかなりハードルの高い要求と言えますね。

困った広報さんは下記のような投稿をしました。

この投稿がバズりました。

当初目標とした「10,000いいね」をはるかに上回る「97,000」の「いいね」を獲得しました。また、フォロワーもたった3日間で「20,000人」を突破。この結果、待望の一眼レフカメラを手にすることができました。

更に驚くことに、なんと、このカメラ、会社の経費で購入したものではなく、社長のポケットマネーから出たものだそうです。

社長は「会社の利益うんぬんよりも、この町の魅力を発信して欲しい」とメディアに語っています。

さて、見事に一眼レフカメラを手にした広報さんですが、次はレンズが欲しくなります。

レンズを複数持つことで、撮影の幅が一気に広がります。例えば、

標準レンズ:日常的な撮影に最適。自然な視界に近い写りが得られます。
広角レンズ:風景や建築物を撮るときに便利。広い範囲を一度に撮影できます。
望遠レンズ:遠くの被写体を引き寄せることができ、スポーツや野生動物の撮影にピッタリ。
マクロレンズ:小さな被写体を拡大して撮影でき、昆虫や花などのクローズアップに最適。

しかし、このレンズの購入に関して社長は首を縦に振ってくれませんでした。自腹で購入を考えていた広報さんですが、なんと名古屋にあるレンズの販売会社の広報担当者から「レンズの無償提供」の申し出があったんです。また、雑誌社からは、カメラ雑誌「CAPA」の無償提供を受けるなどその支援は広がりを見せました。

その後は、この話題を大手メディアの多くが取り上げることで美川タクシーのXはさらに盛り上がっていきました。

今回の成功の要因ですが、
1.会社の宣伝よりも久万高原町の魅力発信に軸足が乗っていること
2.広報さんの純朴さを感じられる投稿内容

この2点ではないかと思います。

タクシー会社としての発信が少ないと批判する人もいるようですが、久万高原町への観光客が増え、タクシーを利用する人もそれに比例して増えれば、結果、会社の利益に繋がりますから、私はこのスタンスでいいのではないかと考えます。

SNSは費用をかけることなく取り組める広報活動です。また、一度のバズりでメディアに大きく取り上げられる可能性もあります。

冒頭にも書きましたが
「特徴のある商品やサービスを持っていない田舎にある従業員数名の会社がPR・広報(SNSでの発信を含む)をやる必要があるのか?」

とお考えの経営者の方も、SNSを利用したPR・広報活動を再考してみてはいかがでしょうか?

本日は以上となります。

お読みいただきありがとうございました。

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