ハロウィーン

イベント

「渋谷にこないで!」渋谷区長が呼びかけ。その真意は?

東京都渋谷区の長谷部区長は、9月12日に「今年は、ハロウィーンを楽しむために渋谷駅の近くに来ることをやめてください」と発言しました。

この発言、ニュース、SNS等で話題になりましたがご存じでしょうか?

渋谷に人が集まれば、渋谷にある商業施設が潤うのになぜこのような発言をしたのでしょうか?

この言葉の背景説明の前に、ハロウィーンっていつからこんなに盛り上がるようになったのか?その歴史について簡単にご紹介しておきますね

「ハロウィーン」は10月31日です。

私のようなおじさんは「ハロウィーンってアメリカのお祭りだろう?なんで日本人が盛り上がるんだ?」「最近まで日本でハロウィーンを楽しむ習慣って無かったような・・・」と思ってしまいます。

しかし最近では、ハロウィーンが近づくと、いろんなお店でハロウィーンのグッズなんかが売り出されていて盛り上げ役に一役買っている感じですよね。

ハロウィーンはアメリカ発祥のお祭りと認識している人が多いかもしれませんが(私もそうでした)、実は、発祥は「アイルランド」なんです。

ジャガイモ飢饉(※)でアメリカ合衆国に渡ったアイルランド人移民によりアメリカで定着し、今や世界各地で祝われるようになったそうです。
※ジャガイモ飢饉とは、19世紀のアイルランド島で主要食物のジャガイモが疫病により枯死したことで起こった大飢饉のこと。

日本でハロウィーンが開催されるようになったのは、1970年代にキデイランド原宿店がハロウィン関連商品の販売を始めたことがきっかけ。

そして、1983年にキデイランド原宿店が販売促進の一環として原宿表参道で行った「ハローハロウィーンパンプキンパレード」が初めてのハロウィーンイベントとされていて、このパレードは現在も続いています。

日本で広く知られるようになったのは、1997年に東京ディズニーランドが、2002年にはユニバーサルスタジオジャパンが、ハロウィーンイベントを開催したからだと言われています。これらの二大テーマパークが開催したことで、それまで「ハロウィーン」に関心が無かった人たちも興味を持つようになりました。現在もこの二つのテーマパークでは盛大にハロウィーンイベントが開催されています。

また、「子ども英語教室でハロウィーンパーティをしたことで広まった」、「SNSの普及によりハロウィーンイベントに参加する人が増えた」、「お菓子メーカーなどが商戦のためにハロウィーン関連の様々な商品を作りだした」など、ハロウィーンが広まったきっかけは様々あるようですね。

このように「日本ではこの年から定着した」と、明確なものはありません。「なんとなく、このころから広まっていった」「いつの間にか定着していた」と考えた方が良いかもしれません。

個人的な感想としては、東京ディズニーランドがハロウィーンイベントを開催したことが日本にハロウィーンを根付かせた大きな原因だと感じています。

さて、本題に戻りましょう。

なぜ、長谷部区長は「今年は、ハロウィーンを楽しむために渋谷駅の近くに来ることをやめてください」と発言したのか。

それには次の2つの背景があります。

1.昨年のハロウィーンの時期に、韓国のソウル繁華街に集まった多数の人が倒れ、150人以上が死亡、80人以上が負傷した事件があったから

このニュースは世界中に報道され、日本でも大きな関心を得たのでご存じの方も多いことでしょう。

区長は次のように発言しています。

「10月は旅行で渋谷に来る人も増えます。ソウルと同じような事故が起こることをとても心配しています」と。

確かにそうですよね。

ご存じの通り、ハロウィーンの時期、渋谷では過去に様々なトラブルが起きています。

記憶に残っている印象的な出来事は、2018年の10月28日に、スクランブル交差点で軽トラックが、騒ぐ若者らに横転させられるという事件がありました。また、喧嘩、痴漢、器物損壊など、普段、治安の良い日本とは思えないような状況がたくさん発生しています。

まして、今年は新型コロナウイルスの厳しい規制がなく行われる久しぶりのハロウィーンです。ソウルと同じような事故が起こることを懸念するのも行政の長として当然でしょうね。

2.路上呑みをする外国人観光客の増加

渋谷では路上呑みを行う人が多くいます。

この光景を見た外国人観光客が「日本の渋谷では路上呑みができる」という情報を拡散させた結果、今では路上呑みを行う外国人観光客が増えてしまいました。

「ANNnewsCH」のYouTubeチャンネルに、これに関するニュース動画がアップされていましたので下記に貼っておきます。ご興味のある方はご覧ください。

ハロウィーン当日、渋谷に何人くらいの外国人観光客が来るのかは分かりませんが、かなりの人数になるでしょう。その中にはアルコールを摂取する人もいると思われます。そうすると「外国旅行中の解放感」+「お祭り」+「アルコール」で普段以上にトラブルを起こす確率はグンと高くなります。また、酒に酔った外国人と日本人の間でも、なんらかの問題が発生しそうですよね。

今、日本を含む海外諸国の有名観光地では、外国人観光客の急激な増加と観光客の迷惑行為による問題が多く発生しています。この問題を「オーバーツーリズム」と言います。

アメリカのCNNでは、「富士山がピンチ!日本で一番高い山がオーバーツーリズムの犠牲になっている」「山頂には人があふれていて、まるでディズニーランドのようだ」と、日本が海外に誇る観光地「富士山」のオーバーツーリズムについて報道しています。

コロナで観光地の産業は大きなダメージを受けました。今度は、待ち望んでいた観光客によって観光地の被害が増えているのは皮肉ですね。

さて、渋谷区長の発言は功を奏するのか?

ハロウィーン当日の渋谷に注目をしてみたいと思います。

本日の記事は以上です。
お読みいただきありがとうございました。

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